「投信工房」は、大手ネット証券の松井証券が提供するロボアドバイザーサービス。
ロボアドバイザーにはメリットもデメリットもありますが、投資初心者にとっては非常に心強いサービスと言えます。
中でも人気の「ウェルスナビ」や「THEO」などはNISA非対応なんですが、ここでご紹介する投信工房はNISAでの投資も可能です。
NISA・つみたてNISAは運用益の非課税という税制メリットがある分、ロボアドバイザーで運用したいと考えている人も多いかと思います。
そこで今回は、松井証券の投信工房で投資信託の積立投資がおすすめできるか、特徴やサービス内容を踏まえて解説していきますね。
【投信工房の要点まとめ】
- 手数料が業界最安級の年率0.30%
- 100円~投資・積立ができる
- アドバイス型でリバランス機能がある
- NISA口座にも対応している
- 便利なスマホアプリが提供されている
松井証券の投信工房とは?
投信工房の基本的な内容 | |
サービス利用料 | 無料 |
手数料 (税別) | 年率0.30% |
最低投資額 | 100円~ (一括購入は1万円~) |
投資サービス | アドバイス型 |
リバランス機能 | あり |
※手数料は2020年4月3日時点の数値。
松井証券が提供している投信工房は、基本的に利用料は無料で必要な手数料は「信託報酬」だけとなっています。
投資信託を購入してから、保有している間はずっと支払うことになる手数料のことです。
各銘柄によって信託報酬は異なりますが、低コストで運用できる銘柄も豊富にあります。
ロボアドバイザーには「投資一任型」と「アドバイス型」があり、松井証券の投信工房はアドバイス型になりますね。
100円から少額積立することができるので、投資資金が不安な方でも気軽に始めることができます。
アドバイス型ロボアドバイザーの主な特徴
- ポートフォリオ(資産配分)の提案のみ
- 銘柄の買付や売却などは自分で行う
- 運用中のリバランスは自分で行う
投資一任型サービスの「ウェルスナビ」や「THEO」は、提案・買付・リバランスなどすべての運用を代行してくれます。
当初に購入した銘柄のポートフォリオが相場変化で崩れた場合に、比率を元に戻すための調整を行うことです。
定期的なリバランスを行うことで、効率的な資産運用ができる特徴があります。
ですが、アドバイス型サービスでは実際に運用・管理するのは自分自身なので、完全自動で放置することはできません。
これが投資一任型のロボアドバイザーとは違うデメリットと言える部分ですね。
松井証券の投信工房にはリバランス積立機能がある
松井証券の投信工房では一般的なアドバイス型サービスとは異なり、リバランス機能も利用できるのが大きなメリットです。
投信工房では以下のリバランス機能があります。
- リバランス積立
- 自動リバランス
- 一括リバランス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
機能①:リバランス積立
「リバランス積立」は、目標としているポートフォリオ(資産配分)に合わせて、投資信託の積立が行える機能になりますね。
基本的に積立投資を進めていく場合は、自分の設定した一定額で積立していくので、資産価値が変化するとポートフォリオも大きく変化します。
このときに自分でリバランスをする必要がありますが、最適な配分に戻すのは容易ではありません。
ですが、松井証券の投信工房でリバランス積立機能を活用することで、ロボアドバイザーが自動計算を行って購入銘柄や金額を決定し、積立投資を実行してくれます。
投資経験の浅い方にとっては便利な機能ですし、投資に時間が割けない忙しい方にとっても、ありがたい機能ですよね。
機能②:自動リバランス
「自動リバランス」は、任意に設定した日にリバランスが自動で行われるよう、あらかじめ予約しておくことができる機能です。
リバランス頻度は年4回まで設定でき、運用開始後は決めた設定のタイミングで自動リバランスが可能なので、手間を省いて積立投資ができますね。
リバランスを行う直前にメールで通知を受け取ることも可能。
投資一任型のロボアドバイザーでは自動リバランスが備わっていますが、アドバイス型サービスでは投信工房が国内初となる導入です。(2017年10月20日時点)
様々な資産に分散投資する予定がある場合は、定期的なポートフォリオのリバランスが必要になってきます。
その点を考えてアドバイス型サービスを避ける方もいますが、投信工房なら安心して積立投資ができますね。
機能③:一括リバランス
「一括リバランス」はボタンを押すだけの簡単操作で、ロボアドバイザーが銘柄の売却・購入を瞬時に計算してくれる機能。
その後はまとめて注文することで、ポートフォリオのリバランスを行うことができます。
3種類のリバランス機能の中で、最も手軽かつスピーディーな特徴がありますね。
今すぐに資産配分を調整したい!と感じているときには、この一括リバランス機能が便利です。
調整後のポートフォリオがどう変化するのか、内容をしっかり把握したい方にも向いているかと思います。
ニーズに合わせてリバランス機能を使い分けることができるのは、松井証券の投信工房ならではと言えますね。
▼ニーズに合わせたリバランス機能あり▼
松井証券の投信工房ならNISA口座に対応
運用されているロボアドバイザーサービスのほとんどは、「NISA非対応」となっているのが現状です。
少額投資非課税制度とも呼ばれていて、NISA口座で運用することで一定期間・一定額の投資で得た運用益を非課税にできる制度のことです。
普通なら株式や投資信託で得た利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISAであれば節税メリットがあります。
- NISA:年間投資枠120万円/非課税期間5年
ですが、松井証券の投信工房であればNISAに対応しているので、この節税メリットを活かすことが可能なんです!
NISA対応というのは、大きなアドバンテージと言えますね。
ちなみにウェルスナビでは、NISA非対応となっている理由が以下のように記載されています。
NISAのご利用はできません。
当社のサービスは最低投資額を設定させていただいていること、年2回のリバランスが実施されることの2点から、年間累計の買い付け金額がNISAで上限となっている120万円を超えることが多いと想定されるためです。引用元:ウェルスナビ よくあるご質問
ウェルスナビの最低投資額は10万円必要で、自動リバランスも行われる理由からNISA枠を超える可能性があるということですね。
投信工房ではなぜ、NISAに対応することができるのか
松井証券の投信工房がNISA対応の理由も見てみましょう。
積立の際に「NISA優先」を選択した場合、NISA利用可能額の範囲内で注文を発注します。
NISA利用可能額を超えた場合は、課税口座(特定口座もしくは一般口座)で注文を発注します。※積立の場合、当年のNISA利用可能額がなくなると課税口座(特定口座もしくは一般口座)で注文を発注しますが、年度が変わってNISA利用可能額が設定された時点から、再びNISA口座で積立注文を発注します。
引用元:松井証券 よくあるご質問
つまり、投信工房ではNISA口座を優先して積立することができ、枠を超えた分からは課税される口座での積立に切り替わるということですね。
翌年になれば、また投資可能枠が復活したNISA口座で積立できるので、投資家からすると理想的な運用方法と言えるかもしれません。
投信工房なら他のロボアドバイザーとは違って、NISAの非課税制度をフルに利用できます。
松井証券は「つみたてNISA」の取り扱い銘柄も豊富
松井証券では先にご紹介した「NISA」と、長期間の少額投資向けな「つみたてNISA」も取り扱っています。
それぞれを併用することはできませんが、どちらも運用益を非課税にできる面は同じですね。
金融庁が「つみたてNISA」の対象商品としているのは162本。(2018年10月31日時点)
- インデックス投信:142本
- アクティブ投信:17本
- ETF:3本
このうち、松井証券の「つみたてNISA」では、ETF(上場投資信託)を除く140本以上の取り扱いがあります。
豊富な投資信託に投資できることに加え、購入時手数料はすべて無料の商品が対象なので、つみたてNISAは低コストな資産運用ができるメリットも。
つみたてNISAは年間投資枠こそNISAより劣りますが、非課税期間が最長20年あるので、長期的な積立投資に向いている制度ですね。
松井証券の「つみたてNISA」では、NISAと違って一括購入・一括積立ができず、積立頻度は「毎月」のみとなっています。
自動で定期的に購入する「投信積立」であれば、積立頻度を「毎日・毎週・毎月」から選べるので、その辺の違いには注意して下さい。
もし投信工房を活用して少額投資非課税制度も利用する場合は、基本的に「NISA」を選ぶことになりますね。
▼税金対策になるNISAにも対応▼
松井証券の投信工房はロボアドバイザーとして手数料が最安級
※2020年4月3日時点の数値は、年間平均0.30%(税別)
松井証券の投信工房は、アドバイス型サービスながらリバランス機能があり、NISAにも対応している以外に、手数料が非常に安いのも大きな魅力!
対面型証券のサービスと手数料を比較すると、投信工房はトータルコストが年率0.38%になっています。
特に長期目線で運用するロボアドバイザーは、手数料の差で運用成績がまったく違ってきます。
仮に500万円を10年間で運用した場合で年率3%の利益が得られるとすれば、上記表のような収益差が生まれることがわかりますね。
松井証券の投信工房で記載されている手数料0.38%は、最も高いモデルケースを想定しているので、実際にはもう少し安くなる可能性もあります。
主なロボアドバイザーで手数料を比較
サービス名 | 手数料(年率) |
投信工房 | 0.30% |
ウェルスナビ | 預かり資産の1% (現金部分を除く、税別) |
THEO | 預かり資産の0.65~1% (税別) |
楽ラップ | 0.963% |
※楽ラップは「固定報酬型」の手数料になります。
ロボアドバイザーの多くは年率1%程度で大差はありませんが、投信工房は圧倒的に安い手数料を誇っています。
自動リバランス機能をを備えていることも考えると、アドバイス型であっても投資一任型サービスと見劣りしません。
こうして見比べると、他社の年率1%というのは高く感じるところもありますね…
私個人としてはウェルスナビやTHEOで実際に運用中なので、完全放置で将来的に手数料以上の成績が出ればいいと考えています。
とはいえ、投信工房の手数料は無視できないレベルですから、長期投資を考えている方は最有力なサービスとも言えますね。
投信工房の手数料が安い理由
- X=営業員
- Y=投資一任報酬
- Z=最終判断
ファンドラップとは、金融機関が資産の運用・管理をする投資一任サービスのことです。
このファンドラップサービスでは、運用を任せるために「投資顧問料」や「管理料」など、費用が多くかかる面があります。
ですが松井証券の投信工房は、最終判断を投資家に任せることでコストを削減し、専門的な理論を用いるロボットで営業員の必要性も排除しています。
「誰でも」「簡単に」「低コストで」資産運用が行える環境を整えるために、松井証券では上記表のような計算式を使用していますね。
また、それに加えて年間平均0.30%の信託報酬を誇る、低コストなインデックスファンドを中心に資産配分の提案をしているのも要因の1つ。
手数料面は運用利益に直結する重要なポイントにもなるので、実績などを考慮しつつ低コストな投信工房も検討するのがいいですね。
▼手数料最安級/NISAにも対応▼
投信工房のポートフォリオ提案で手軽に分散投資ができる
松井証券の投信工房では、簡単な8つの質問に回答していくことで、自分に適したポートフォリオをすぐに提案してくれます。
リターンを最優先に考えたリスク高めの「積極型」だと、株式資産が多めの分散投資になっていますね。
資産クラスごとに提案された銘柄や、信託報酬などの詳細内容も確認できます。
私の場合であれば、信託報酬の平均が0.3273%と低めに抑えられている感じです。
こうしてポートフォリオに沿った分散投資が手軽にできるので、銘柄選びで不安を感じている方にはありがたいですよね。
投信工房が提案したポートフォリオは、配分比率の調整・投資信託の入れ替え等も自由にカスタマイズできるので、中上級者の方でも便利に使えます。
また、提案されたポートフォリオの「過去」「将来」「積立」シミュレーションも可能ですし、資産の変化をチェックするだけでも参考になりますね。
投信アプリの利用でスマホから投信取引も可能
松井証券では、投資信託サービスのすべての機能を備えた「投信アプリ」も提供されています。
証券口座を持っている方であれば、誰でも無料で利用することができます。
投信工房アプリでは主に以下のような機能が使えます。
投信取引
- 残高照会
- 注文照会
- 取扱投信一覧
- 積立設定一覧
- 一括購入
- リバランス
資産管理
- 余力情報・振替
- 預り資産推移
- トータルリターン
- 取引履歴
- 特定口座損益
アドバイザー
- 目標ポートフォリオ
- ポートフォリオ提案
- 運用方針見直し
自動で定期的に積立注文するときや目標ポートフォリオの銘柄を一括購入、個別に投資信託を購入するときなどの取引がすべて行えます。
資産状況はアプリにログインすることで一目でチェックでき、円グラフや折れ線グラフから変化や推移も確認可能。
毎回PCを利用するのはちょっと面倒…と感じている方は、スマホでいつでも気軽に投信取引や資産チェックできるので、とても便利なアプリですね。
また、設定中のポートフォリオの変更・運用方針の見直し、自分でカスタマイズなども行うことができます。
ちなみに通知設定でメール通知・Push通知を設定しておくと、投信工房アプリを起動しなくてもスマホ上で取引情報などを通知してくれます。
外出先やスキマ時間を利用して投資を行いたい方には、便利なスマホアプリが提供されているかも重要なポイントと言えますね。
まとめ:NISA対応で選ぶなら松井証券の投信工房がおすすめ
- 手数料が業界最安級の年率0.38%
- 100円~投資・積立ができる
- アドバイス型でリバランス機能がある
- NISA口座にも対応している
- 便利なスマホアプリが提供されている
松井証券のロボアドバイザー「投信工房」は、アドバイス型ながら投資一任型サービスに近い運用を行うことができます。
リバランス機能で投資の手間を省きつつ、スマホアプリで資産管理も手軽にできますし、何より手数料が安いですからね。
コストをできるだけ抑えることで利益率を高めることができ、長期的な投資を続けていく上では手数料が安いに越したことはありません。
ただ、投信工房は他のロボアドバイザーサービスと同様に万能ではないので、投資を行うことのリスクも理解しておく必要がありますね。
松井証券では低コストのインデックスファンドが豊富で、NISAであれば運用益も非課税にできるので、リスクを軽減することは可能です。
ロボアドバイザーを使いながらNISAなどに投資したい方は、松井証券の投信工房を利用することも検討されてみて下さい!
▼手数料最安級/NISAにも対応▼
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