個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)を始める投資先はどこがいいのか、証券会社や銀行などの金融機関選びで悩んでいる方は多いかと思います。
それもそのはず、iDeCoは利用する金融機関によって毎月かかってくる手数料や、取り扱っている商品数に大きな違いがあります。
特にiDeCoの積立投資は60歳までの長期になるので、安心して資産を預けられる金融機関を選びたいものですよね。
そこで今回は、iDeCoを取り扱っている証券会社や銀行などの金融機関を徹底比較して、手数料がお得かつ商品数も豊富なおすすめ金融機関を紹介します!
iDeCoの投資先で悩まれている方の参考になれば幸いです。
iDeCo(イデコ)を始める上での注意点
個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、公的年金とは別に個人で年金を積み立てていくことができる私的年金制度です。
積み立てた分の掛け金が所得控除されるだけでなく、運用によって得られた利益もすべて非課税になるお得なメリットがあります。
iDeCoのメリットやデメリットを詳しく知りたい方は、以下の記事でわかりやすくまとめているので参考にしてみて下さい。
ですが積み立てを始めていく上で注意しておかないといけないのが、毎月かかってくる手数料なんです。
iDeCoにはいくつか手数料に種類があり、加入時にかかる手数料や運用時にかかる手数料、資産の受け取り時にかかる手数料などがありますね。
まずはそれぞれに必要な手数料を確認していきましょう。
加入時(1回のみ)
- 国民年金基金連合会(初期費用):2,829円(税込)
- 加入する金融機関:~1,000円ほど
運用時(毎月)
- 国民年金基金連合会:一律105円(税込)/月額
- 委託先の金融機関:一律66円(税込)/月額
- 運営管理手数料:金融機関によって異なる
受取時(1回ごと)
- 委託先の金融機関:一律440円(税込)
移管時(金融機関の変更時)
- 移管元の金融機関:4,400円ほどかかる場合あり
このようにiDeCoでは「加入時」「運用時」「受取時」と手数料がかかりますが、運用を行っていく上で毎月必ず171円(税込)がどこの金融機関でも必要です。
ここで最も重要なのは金融機関ごとに異なる「運営管理手数料」の部分ですね。
iDeCoの投資先を選ぶときの大きなポイントになってきます。
iDeCo(イデコ)の手数料を金融機関ごとに比較
運営管理手数料は300円程度かかる金融機関が多いんですが、毎月支払うことを考えると長期投資になるiDeCoではかなりの金額になってきます。
例えば20歳から満期となる60歳まで運用したとすると、運用管理手数料が300円だった場合と無料だった場合とでいくら違うのかを見てみましょう。
運用管理手数料あり(300円)
①167円×12ヶ月=2,004円
②300円×12ヶ月=3,600円
⇒2,004円+3,600円×40年=224,160円
運用管理手数料なし
①167円×12ヶ月=2,004円
⇒2,004円×40年=80,160円
手数料なしだと144,000円もお得に!
積立投資の期間が長ければ長くなるほど手数料の差は大きくなるので、iDeCoの投資先は毎月の負担が少ない金融機関を選ぶのが基本ですね。
そこで運営管理手数料の違いを主な金融機関ごとに比較してみました。
金融機関名 | 運営管理手数料 |
SBI証券 | 0円 |
楽天証券 | 0円 |
マネックス証券 | 0円 |
松井証券 | 0円 |
大和証券 | 0円 |
イオン銀行 | 0円 |
岡三証券 | 205円 |
三井住友銀行 | 255円 |
ゆうちょ銀行 | 255円 |
みずほ銀行 | 255円 (資産50万円以上で0円) |
スルガ銀行 | 270円 |
野村證券 | 283円 (資産100万円以上で0円) |
第一生命 | 315円 (資産150万円以上で0円) |
このように無条件で手数料が無料になるところもあれば、条件付きで無料にできる金融機関も増えてきています。
運営管理手数料によってiDeCoの運用コストに差が出るので、手数料無料の金融機関を選ぶのが望ましいですね。
現状では運営管理手数料が無条件で無料になるのは、上記表の6社のみになります。
iDeCo(イデコ)の投資信託の品揃えとコストも重要
iDeCo(イデコ)の積立投資で資産運用を進めていく場合は、以下の2種類から運用方針を選ぶことができます。
- 元本保証型の商品に投資する方法
- 元本割れリスクのある投資信託に投資する方法
元本保証型は主に定期預金ですが得られる金利があまりにも安すぎるので、積み立てによるリターンにはほぼ期待できません。
対して投資信託による運用は元本保証がない代わりに、年利5%ほどのリターンに期待できるのが特徴ですね。
そこで先程の運用管理手数料が無条件で無料になる金融機関6社で、取り扱っている投資商品数を比較してみました。
金融機関名 | 元本保証型 | 投資信託 |
SBI証券 | 1 | 36 |
楽天証券 | 1 | 31 |
マネックス証券 | 1 | 24 |
松井証券 | 1 | 11 |
大和証券 | 1 | 21 |
イオン銀行 | 1 | 23 |
※商品数は2019年1月30日時点のものになります。
※SBI証券は「セレクトプラン」が対象です。
iDeCo(イデコ)は2018年5月、確定拠出年金制度の一部改正が施行され、運用可能商品数に「35本以下」という上限が設定されました。
すでに35本を超える商品数を扱っている金融機関に関しては、5年間(2023年まで)に上限となるよう、運用対象商品から除外することになります。
投資商品数だけで見れば、SBI証券のiDeCoが最も多いことがわかりますね。
バリエーションが豊富なことで、様々なスタイルに合わせた運用やリスク分散などもできるので、iDeCoの投資先として参考にするのがいいですね。
ただ、SBI証券はすでに上限に達している状況なので、今後期待できる投資信託が登場しても、追加することが難しいとも言えます。
そうした将来的なことも考慮すると、少し余力を残している金融機関を選ぶという選択肢もありますね。
投資商品選びは信託報酬を意識する
投資信託を購入して保有している限り必要になってくるのが「信託報酬」ですが、投資信託の運用方針によってコストが変わってきます。
インデックス投信(ファンド)
市場平均に連動して利益を獲得する投資信託で低コスト
アクティブ投信(ファンド)
運用会社が独自手法で対象を選定する投資信託で高コスト
アクティブ型の投資信託は高い利益が得られるメリットがありますが、信託報酬が高めでいい商品を選ばないとプラスにするのは難しい特徴があります。
なので投資初心者などは、低コストで中長期の利益が期待できるインデックス型に積み立てるのが基本ですね。
低コストな投資信託としては以下のようなものになります。
- たわらノーロードシリーズ
- DCニッセイ日経225(国内株式)
- DIAM DC(国内株式)
- 三菱UFJ(国内債券)
- eMAXIS Slim(先進国株式/債券)
- 楽天バンガード(先進国株式)
この辺を中心に投資信託を選ぶと、コストを抑えてリターンを伸ばすことができるのでおすすめです。
iDeCo(イデコ)の使いやすさやサポート面も考慮する
iDeCo(イデコ)は60歳になるまで積み立てが続くので、選ぶ金融機関はできるだけ使いやすいところにするのも大切です。
使い勝手があまり良くないとストレスに感じることもありますし、金融機関はそう簡単に変更するものでもないので、サイト設計がわかりやすくなっているかも考慮しましょう。
投資商品の情報や保有資産の配分などがわかりやすく確認できるのか、運用状況が視覚的に見やすくなっているかなど、ウェブサイトの利便性を意識するといいですね。
また、もしトラブルが起きたときや疑問などがあれば、すぐに解決できるようなサポート体制があるかもポイントになります。
資産運用を行っていると何かとわからないことも出でくるので、役立つ情報がしっかり提供されていると助かりますよね。
iDeCoの満期となるその日まで、継続的にサポートしてくれる金融機関を選ぶのも重要になるでしょう。
この辺はよくウェブサイトを確認して、自分に合った投資先かどうかを見定めるのが早いかもしれませんね。
基本的に大手の証券会社などは、どこも使いやすく万全なサポート体制になっているので、よくわからない金融機関でない限りは問題ないかと思います。
iDeCo(イデコ)の投資先を選ぶポイント
iDeCo(イデコ)を始める金融機関は、以下の3つのポイントをしっかり意識して選ぶと、損をすることなく自分に合った投資先に巡り合えます。
- 運営管理手数料が無料になっているか
- インデックス型の投資信託が揃っているか
- 使いやすくサポートも万全な金融機関か
iDeCoは証券会社や各銀行、生命保険会社など数多くの金融機関で取り扱っている私的年金制度なので、選び方を間違えると大きく損をしてしまう可能性があります。
手数料がとても高かったり、投資商品のラインナップが少なかったり、中には利益が出にくい投資信託もあったりします。
ここで紹介してきた内容を参考にしてもらえれば、ある程度の違いはわかるんじゃないかと思います。
iDeCoの節税効果を最大限に活かすためにも、自分にとって得をする理想的な金融機関を選ぶようにしたいですね。
iDeCo(イデコ)で損をしないおすすめ金融機関
おすすめ①:SBI証券のiDeCo(イデコ)
- 運営管理手数料が無条件で無料
- 投資信託の商品数36本とラインナップが豊富
- 信託報酬が比較的安い
- 10年以上の運営実績
- サポート面が充実している
「SBI証券」は長い運用実績のある最大手の証券会社なので、金融機関の中でもトップクラスの安定性がありますね。
iDeCoの投資商品数は、新しく登場した「セレクトプラン」で36本と業界最多レベル。
信託報酬が安いeMAXIS Slimシリーズも、セレクトプランで購入できるようになり、低コストのインデックスファンドも充実しています。
SBI証券には複数投資対象を組み合わせた「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」で、個別に選ぶのが難しいという方でも簡単に分散投資ができるのも特徴。
信託報酬もかなり安いので人気のある商品ですね。
また、SBI証券には商品選びをサポートしてくれる「SBI-iDeCoロボ」というサービスがあります。
このiDeCoロボは投資経験や年齢などから投資意向をヒアリングして、自分に最適な投資商品を提案してくれるので、投資初心者にはとてもありがたいですね。
金融機関としても信頼できますし、SBI証券のiDeCoは非常におすすめです。
\選べる投資信託が豊富/
おすすめ②:楽天証券のiDeCo(イデコ)
- 運営管理手数料が無条件で無料
- 視覚的に管理できる設計で使いやすい
- iDeCoと証券口座を一括管理できる
- 信託報酬が比較的安い
- 人気の楽天バンガードシリーズに投資できる
「楽天証券」のiDeCoも運営管理手数料が無条件で無料なので、損をすることなく積み立てていくことができます。
投資信託の商品数は31本と充実したラインナップで、低コストかつ長期的な運用に向いている商品に厳選されているので、初心者の方でも選びやすい特徴があります。
低コストなインデックス型の「たわらノーロード」や、全世界の株式に分散投資できる「楽天バンガード」などを扱っています。
特に楽天バンガードシリーズは、投資家からの人気が非常に高い商品ですし、iDeCoで取り扱いがあるのは楽天証券のみ。
これは楽天証券の大きな強みとも言えますね。
バランス型としては、「楽天・インデックス・バランス」で株式・債券などに分散投資でき、信託報酬も低コストな安定した商品になります。
また、楽天証券は資産管理にとても優れていて、1つのIDで証券口座の資産とiDeCoの年金資産を同一サイトから簡単に確認できる設計になっています。
資産管理のしやすさで選ぶなら楽天証券が断然おすすめになりますね。
スマホにも完全に対応しているので、わざわざPC画面を開く必要もありません。
他にもiDeCoのスタートガイドブックが用意されていたり、24時間いつでも疑問に答えてくれるiDeCo専用のAIチャットも利用できます。
サポート体制にも力を入れているので、投資初心者でも安心して始められます。
\資産管理しやすいシンプル設計/
おすすめ③:マネックス証券のiDeCo(イデコ)
- 運営管理手数料が無条件で無料
- iDeCoと証券口座を一括管理できる
- 信託報酬が業界最安水準
- 初心者でも選びやすい商品のラインナップ
- ロボアドバイザーが運用をサポート
「マネックス証券」のiDeCoは、上記2社の証券会社より選べる投資信託が24本とやや劣りますが、その代わり低コスト中心の投資商品に厳選されています。
そしてマネックス証券の取り扱っている商品の信託報酬は、業界最安水準であることが大きなメリットになりますね。
中でも「eMAXIS Slim」シリーズや「三菱UFJ国内債券」は安さがトップクラスですね。
eMAXIS SlimシリーズがSBI証券でも購入できますが、これからの新商品追加が難しいので、そういった意味ではマネックス証券が有利になります。
また、マネックス証券にはロボアドバイザーによる「iDeCoポートフォリオ診断」サービスがあります。
これは最新の金融工学理論を駆使して、年齢や資産運用に関する考え方を元に最適な資産配分を提案してくれるものです。
簡単な質問に答えていくだけで、自分に合ったポートフォリオ(資産配分)がわかるので、投資の知識がなくても理想的な積み立てを進めていくことができますね。
マネックス証券の電話サポートは、平日だけでなく土曜日も受け付けているのも何気にありがたいポイントです。
\信託報酬が業界最安水準/
おすすめ④:大和証券のiDeCo(イデコ)
- 運営管理手数料が無条件で無料
- 全国150以上の店舗がある
- ダイワつみたてインデックスが低コスト
- 動画コンテンツによるサポート
- BRICsの海外株へ投資できる
「大和証券」のiDeCoは店舗型の証券会社として唯一、運営管理手数料が無条件で無料になっています。
上記3社は実店舗を持たないネット証券なので、全国47都道府県に150以上の店舗がある大和証券だと、直接面倒な加入手続きが行えるメリットがあります。
取り扱う投資信託も21本と充実していて、特に「ダイワつみたてインデックス」は、信託報酬が0.19~0.21%ほどと非常に低コストですね。
また、アクティブファンドには人気の「ひふみ年金」「フィデリティ」がありますが、大和証券のiDeCoでは「BRICs(ブリックス)」へ投資できるのが特徴。
2000年代以降から、著しい経済発展を遂げている5ヵ国の総称になります。
- B=ブラジル
- R=ロシア
- I=インド
- C=中国
- s=南アフリカ共和国
このうち、南アフリカ共和国以外の海外株式へ個別投資することが可能。
ただ、アクティブファンドなので信託報酬は高めの1.8~1.9%ほどで、リターンに期待できる分、リスクも大きい個別の海外株なので上級者向きの商品です。
大和証券は店舗型で安心感のある証券会社なので、直接的なサポートなどを受けたい方にもおすすめですね。
▼店舗型で唯一、無条件で管理費ゼロ▼
まとめ:iDeCo(イデコ)の得する投資先で節税しよう!
個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、掛け金・運用益・受取時も非課税になる節税効果の大きい資産運用方法です。
老後の資産作りとしての目的だけでなく、毎年の税金も安くなって無駄なお金を支払わずに済むので、iDeCoに積み立てるだけでもお得なメリットがありますね。
ただ、そんなお得なiDeCoは60歳までしか運用できないので、節税効果をフルに活かすには早めに始めるに越したことはありません。
税金で損をしないためにも老後のお金で苦労しないためにも、iDeCoで資産運用を始めていきましょう!
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