ネット証券は今やメジャーな証券会社で、そのメリットを知った個人投資家の多くは口座開設しています。
「楽天証券」や「SBI証券」をはじめとしたネット証券の登場によって、投資の利便性が大きく向上していますね。
とはいえ、メリットばかりではなくデメリットも存在します。
一般的には対面型の大手総合証券の「野村證券」などは認知されていますが、オンライントレード専門のネット証券はまだ知らない人も多いかもしれません。
そこで今回は、ネット証券の特徴からメリット・デメリットを、わかりやすく解説していきます。
そもそもネット証券とは?特徴について
ネット証券とは、「インターネット証券会社」の略称でオンライン証券とも言われます。
一般的な対面型の総合証券では、店舗に直接出向いて株取引を行ったり、営業担当者のアドバイスを受けて注文を行ったりします。
対してネット証券では基本的に実店舗を持たずに、オンライン上で取引を完結することができます。
なので、パソコンやスマホがあれば、インターネットから手軽にトレードできるということですね。
また、1999年に「株式売買手数料」が自由化され、ネットの需要が増加していることもあり、ネット証券へ参入する企業が増加している経緯もあります。
「野村證券」や「大和証券」が総合証券の代表格ですが、大和証券ではオンライン取引サービスも利用可能です。
ただ、オンライン専門のネット証券とは違って、店舗や人件費のコストを必要とするため、総合証券は取引手数料がやや高めになる特徴も…
その点、以下のような主要ネット証券を利用すると、割安な手数料で取引することが可能になります。
ネット証券を利用するメリット
ここからは、ネット証券のメリットを解説していきます。
- いつでも好きなときに取引できる
- 対面型より手数料が割安
- 投資信託が100円から購入できる
- 基本的にオンラインですべて完結
- 投資情報が無料で手に入る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット①:いつでも好きなときに取引できる
対面型の大手総合証券の場合は、店頭に行って注文するか営業担当者を介して電話注文する必要があり、自分のタイミングで自由に取引できない面があります。
ですがネット証券なら、ほぼ24時間オンライン注文することが可能なので、スマホやPCからいつでも取引できます。
「時間」も「場所」も気にすることがないので、生活スタイルに負担をかけず利用できるのがネット証券のメリットと言えますね。
スマホ専用の使いやすい取引ツールなども提供されているので、外出先や移動時間を利用してストレスなく売買注文が行えます。
投資になかなか時間が割けない忙しい方でも、スキマ時間を活用してトレードできるのはありがたいですね。
メリット②:対面型より手数料が割安
ネット証券の大きなメリットと言えるのが、株式売買手数料が総合証券よりもかなり安いことです。
国内株式(現物取引)を行った場合に、取引金額が50万円か100万円のときで、証券会社ごとの手数料をまとめてみました。
国内株式(現物取引)の売買手数料 | ||
証券会社 | 50万円 | 100万円 |
DMM 株 | 194円 | 367円 |
GMOクリック証券 | 260円 | 470円 |
楽天証券 | 270円 | 525円 |
SBI証券 | 270円 | 525円 |
岡三オンライン証券 | 378円 | 648円 |
カブドットコム証券 | 270円 | 1,069円 |
マネックス証券 | 486円 | 1,080円 or 1,620円 |
野村證券 | 515円 | 1,029円 |
松井証券 | 540円 | 1,080円 |
大和証券 | 1,863円 | 3,726円 |
※金額は2019年3月時点、税込み価格で記載しています。
※手数料はオンライントレード(ネット注文)に限ります。
※松井証券のみ「定額料金」、その他は「1約定料金」となります。
基本的には1回あたりの取引金額に応じた手数料になりますが、ネット証券が非常に安くなっていることがわかりますね。
総合証券の「野村證券」と「大和証券」では、店頭または電話注文の他にインターネット取引も可能です。
ネット注文の場合は店頭・電話に比べて割安な手数料になっていますが、それでもネット証券には及びません。
ネット証券の中でも特に「DMM 株」は、現物取引・信用取引に関わらず売買手数料が業界最安水準になっています。
「GMOクリック証券」では、GMOグループの株主優待を活用することで、手数料のキャッシュバックが受けられるため、実質的な手数料を無料にすることもできます。
また、主なネット証券では松井証券のような「定額料金プラン」も選択でき、1日の取引金額に応じた手数料なので、取引回数を気にせず売買することも可能。
特に「楽天証券」「SBI証券」は定額料金が安く、1日10万円までの取引なら売買手数料も無料。
「岡三オンライン証券」なら、1日20万円まで手数料無料と優遇されていますね。
メリット③:投資信託が100円から購入できる
株式投資は最低でも10万円~100万円ほどの資金が必要になることが多く、投資初心者にとってはハイリスクな金融商品になります。
まとまったお金は用意できない…という方もいますよね。
そこで少額投資向けの金融商品として「投資信託」があり、ネット証券であれば基本的に100円から購入することができます。
ちなみに「野村證券」と「大和証券」では1,000円から始めることが可能。
ただ、この2社では投資信託の取り扱いは500~900本ほどで、あまり多いとは言えません。
ネット証券の「楽天証券」か「SBI証券」であれば、2,600本以上の取り扱いがあるので、投資信託のラインナップが圧倒的ですね。
また、投資信託には「ノーロード」商品があり、株式投資のような売買手数料がかからないものもあります。
株取引は少しハードルが高い…と感じている方は、少額投資ができる投資信託から始めるのがおすすめです。
メリット④:基本的にオンラインですべて完結
ネット証券はオンラインサービスが中心になるので、実際の取引だけではなく口座開設などもすべてネット上で完結します。
一般的な証券会社の口座開設では、本人確認書類を郵送する手間があるので、面倒に感じる方は多いかもしれません。
ですがネット証券の場合は、申し込み時に画像アップロードで提出することが可能。
郵送より手間なく書類審査の時間短縮もできるので、口座開設から取引開始までがスピーディーになることがメリットですね。
取引に関する報告書などもネット上で確認できるようになるため、郵送物が多くならなくて済みます。
ネット証券は非常に利便性が高いと言えます。
メリット⑤:投資情報が無料で手に入る
ネット証券では有料販売されているような投資情報を、口座開設者限定で無料公開されています。
マーケットの最新ニュースから、視覚的に予想・結果の傾向が見える経済指標カレンダー、ベテラン投資家のアナリストレポートなど。
他にもネット証券が提供している情報ツールで、リアルタイムな投資情報をチェックできることも大きなメリットですね。
また、「岡三オンライン証券」では株式・投資信託・FXなど、金融商品別に「WEBセミナー」も数多く配信されています。
著名な専門家や投資家のセミナーに無料参加できるので、投資の知識を身につけたい方にはおすすめです。
「楽天証券」では、日本経済新聞社が提供している有料の「日経テレコン」が無料で見れるなど、ネット証券各社でそれぞれ魅力がありますね。
ネット証券を利用するデメリット
数多くのメリットが目立つネット証券ですが、デメリットも存在します。
- ネットに不慣れな方は使いにくい
- 営業担当者のコンサルが受けられない
- 投資判断はすべて自分で行う必要がある
- 情報量が多いので迷走することもある
- システムトラブルが発生する可能性あり
それぞれ順に見ていきましょう。
デメリット①:ネットに不慣れな方は使いにくい
ネット証券は、基本的にスマホやPCを利用して入出金や売買などを行います。
提供されている取引ツールやアプリは、初心者向きに操作しやすいよう工夫されているものが多く、慣れるまでに時間はそうかからないかと思います。
ただ、今までは店頭や電話注文が中心で、ネットにもあまり詳しくない…という方は、少し戸惑う部分はあるかもしれません。
これまで投資した経験がない方も不安に感じることはあると思いますが、ネット証券は利便性が高いですし、手数料も安いので利用しておいて損はありません。
また、ネット証券は口座開設・管理料はかかりませんから、手軽に申し込みを行うことができます。
商品・サービスも豊富に扱っているので、早めに慣れておくのがいいですね。
デメリット②:営業担当者のコンサルが受けられない
大手総合証券では、営業担当者のコンサルティングを受けつつ、金融商品を選定していくことができます。
ですがネット証券では個人投資家が各自で投資を行っていくので、直接的なアドバイスを受けることができません。
専門家とやり取りを行って投資を進めていきたい、という方にとってはデメリットですね。
ただ、見方を変えると「営業メール」や「営業電話」がなくなるので、煩わしさを感じているなら一概にデメリットとも言えません。
それと、必ずしも投資家目線でアドバイスしてくれるとは限りませんから…
私の場合は、投資初心者の頃からコンサルなどは一切受けず、自分で情報収集しつつ投資を進めてきましたね。
デメリット③:投資判断はすべて自分で行う必要がある
ネット証券を利用して株式や投資信託に投資する場合は、商品選びから購入する割合、その後の配分調整や売却時期などを考える必要があります。
特に株式投資は銘柄選定が簡単ではないですし、投資金額も大きいので損失リスクにも注意しないといけません。
こういった状況のときに助言があると助かりますが、自分で情報を調べて自分で判断するのがネット証券です。
投資初心者で不安を感じている方は、いきなりハイリスクな株式投資はおすすめしません。
個人的にはプロが運用を行ってくれる投資信託で、少額から積立投資していくのがいいかと思います。
知識や経験が浅いうちは、低リスクな金融商品から挑戦していきましょう。
デメリット④:情報量が多いので迷走することもある
ネット証券には様々な投資情報が無料で公開されていますが、投資初心者にとっては何から参考にするべきか迷うこともあります。
特に投資関係の情報となると専門用語がよく出てくるので、意味から勉強する必要があったりしますね…
投資に慣れてくるまでは、宝の持ち腐れ状態になるかもしれません。
ただ、初めから理解できることでもないですし、投資を実践しながら経験を積めば、いずれは情報を活かせるときがきます。
すべての情報を参考にする必要はないので、まずは自分の興味がある金融商品について勉強していくのがいいですね。
デメリット⑤:システムトラブルが発生する可能性あり
これはネット証券というより、インターネットサービス全般に言えることでもありますが、回線やサーバー状況に影響を受けることもあります。
例えば、通信環境が悪化してしまうと上手くトレードできなかったり、システムメンテナンス時は利用できなかったりします。
タイミングが悪いと、機会損失になることも考えられますね。
とはいえ、システムトラブルが発生することはそうそうないので、大したデメリットではありません。
また、主要ネット証券のセキュリティ性は高いですが、ハッキングなどの不正利用が起こる可能性もゼロではないです。
登録するID・パスワードなどは簡単なものだと特定されやすいので、金融資産を守るためにも十分注意しておきましょう。
投資初心者におすすめなネット証券
ネット証券のメリット・デメリットを解説しましたが、ネット証券はどこがいいのか気になっている方も多いかと思います。
そこで以上の内容を踏まえた上で、おすすめできるネット証券もご紹介しておきますね。
おすすめ①:楽天証券
楽天証券の特徴 | |
口座開設数 | 320万人以上 |
開設・管理料 | 無料 |
現物取引の手数料 | 1注文54円~ 1日0円~ |
投資信託の商品数 | 2,647本 (ノーロード1,349本) |
投信積立 | 100円~ |
※2019年7月現在の情報になります。
「楽天証券」は、主要ネット証券の中でも非常に使いやすい証券会社です。
国内株式(現物取引)の手数料は、業界最低水準を誇る「超割コース」と、1日10万円までは手数料無料の「いちにち定額コース」が選択可能。
楽天証券の超割コースは、国内外株式・投資信託で取引手数料から「1~2%ポイントバック」の特典もあります。
楽天証券の大きな特徴としては、楽天スーパーポイントで投信の「ポイント投資」ができることですね。
投資でポイントを貯めることもできますが、貯まったポイントで投資信託の買い付けや積み立てが可能です。
投資信託の取り扱い数も業界トップクラスですし、手数料なしのノーロード商品がかなり豊富なことも魅力の1つ。
個人的にはメリットと感じる部分が多いので、最もおすすめしたいネット証券ですね。
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おすすめ②:SBI証券
SBI証券の特徴 | |
口座開設数 | 460万人以上 |
開設・管理料 | 無料 |
現物取引の手数料 | 1注文54円~ 1日0円~ |
投資信託の商品数 | 2,663本 (ノーロード1,328本) |
投信積立 | 100円~ |
※2019年7月現在の情報になります。
「SBI証券」は、ネット証券の中でも最も投資家に選ばれている人気の証券会社です。
現物取引の手数料体系は楽天証券と似ていますが、定額料金の「アクティブプラン」だと、1日50万円を超える場合はSBI証券の方が安いです。
また、国内株式の夜間取引ができる「PTSサービス」が利用できることも大きな特徴ですね。
ネット証券ならほぼ24時間注文はできますが、SBI証券だと取引所の時間外である夜間でもリアルタイムで取引が可能です。
SBI証券は国内株式だけではなく「外国株」のラインナップも充実しているので、世界各国へ投資できることも魅力です。
株式や投資信託をはじめ、様々な金融商品の取り扱いがあるので、口座開設しておいて損のないネット証券と言えますね。
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ネット証券のメリット・デメリットまとめ
ネット証券には魅力的なメリットがたくさんある一方で、デメリットに感じる部分も少なからずあります。
ですが、総合証券とは違ってスマホやPCでいつでも取引できたり、売買手数料が非常に安いことや、有料情報なども無料で見ることができます。
口座開設を行う個人投資家が年々増加していることも考えると、ネット証券への需要が高いことがわかりますね。
私自身もネット証券を利用して投資を行っていますが、今のところ不便に感じることは特にないです。
オンライン上で資金管理もできるので、お金の動きも把握しやすい面がありますし、銀行口座と連携することで利便性もより高くなります。
株式投資はまとまった資金が必要ですが、100円から取引できる投資信託なら手軽に始めることが可能なので、まずは少額投資で挑戦されてみて下さいね!
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