つみたてNISAは非課税効果を活かして、投資信託の積み立てができるおすすめな制度です。
投資初心者で運用を始めている方も多いですが、株価下落の影響を受けて一時的に含み損(元本割れ)すると不安に感じるところですよね。
場合によっては、焦って保有投信を売却してしまった…という事態にもなりかねません。
個人的には、つみたてNISAはあくまでも「長期運用」が目的になるため、マイナスになっても売却はしないのがベターと言えます。
元本割れはあまり気にせず、積み立てを継続していくことが大切です。
そこで今回は、つみたてNISAの運用中に元本割れしたときの対策を解説します。
【この記事の要点まとめ】
- つみたてNISAは損失分を通算・繰越控除できない
- 継続的な積み立てで値上がり益に期待できる
- 値下がりしたときは多く購入できるチャンスになる
つみたてNISAで含み損発生…元本割れになることもある
私も実際に「つみたてNISA」で運用を続けていますが、2019年8月16日時点だとバランス型ファンド以外は含み損を抱えている状況ですね。
8月以降から日経平均株価・ダウ平均株価が大きく下落していることで、投資信託の運用に影響が出た結果となっています。
特に実績重視のアクティブファンド「ひふみプラス」は、-4.61%と含み損が一番大きいですね。
こういった状況になると、つみたてNISAのメリットである「運用益の非課税」を活かすことができません。
マイナスになるなら今すぐ売却した方がいいんじゃ…と考える方は多いかもしれませんね。
つみたてNISAは「あくまで制度」であり、必ず儲かる投資手法ではないので、その辺はしっかり理解して運用する必要があります。
つみたてNISAではマイナス時に売却するメリットはある?
この結論から言うと、つみたてNISAの運用で元本割れしているときに売却するメリットはほぼありません。
もちろん運用成績によっては一部売却することも選択肢の1つですが、基本的にはマイナスになっても積み立てを継続するのが望ましいですね。
その理由としては以下の3つが挙げられます。
- つみたてNISAは別口座との損益通算ができない
- 損失の3年間繰越控除も利用できない
- 売却部分の非課税投資枠は再利用できない
それぞれ解説していきますね。
つみたてNISAは別口座との損益通算ができない
つみたてNISAの口座で運用している投資信託は、特定口座・一般口座のものと損益通算ができません。
複数の証券口座で投資を行っている場合、各口座で発生した年間の利益と損失を合算して税負担を軽減する方法のことです。
例えば口座Aで10万円の利益、口座Bで5万円の損失があった場合、通算して5万円を課税対象とすることができます。
これが利用できるとマイナス時に売却することで、他口座の利益と通算できるメリットがあるんですが、つみたてNISAではそれを活かせないですね…
なので、つみたてNISAで元本割れしているときに途中売却しても損をするだけですから、値上がりするのを待ちつつ積み立てするのが理想的です。
損失の3年間繰越控除も利用できない
損益通算をした場合、それでもまだマイナスになってしまうなら、3年間にわたってマイナス分を繰り越しできる「繰越控除」という制度もあります。
これは損失分を翌年以降の利益と合わせて計算できる税制メリットがありますが、つみたてNISAでは繰越控除も利用できません。
つみたてNISAは、そもそも短期的に売らず長期投資をさせるための制度ですし、売却するメリットを持たせなかったのはそういった背景があるんでしょう。
短期運用では利益にも期待できませんからね。
売却部分の非課税投資枠は再利用できない
つみたてNISAでは「年間40万円」までの非課税投資枠があります。
一度売却することで売却部分を再度利用できるんじゃ…と考えるかもしれませんが、一度使ってしまった投資枠は戻ることがありません。
例えば、年間20万円まで購入してすべて売却しても40万円に戻ることはなく、年内の非課税投資枠は残り20万円のままです。
なので、成績の悪い投資信託を売却して、その売却分は好調な投資信託を購入する、ということもできないですね…
つみたてNISAは途中で運用をやめるメリットはないので、基本的には「長期運用」を目指して積み立てするのがいいでしょう。
マイナス時でも、つみたてNISAを継続すべき理由
つみたてNISAはマイナスになっても売却せず、積み立てを続けていくことがポイントになってきます。
その理由としては主に以下の3つが挙げられますね。
- 長期積立による将来の値上がりに期待できる
- 値下がりしたときほど多く買えるチャンスになる
- 積立期間が長くなるほど節税効果にも期待できる
それぞれ見ていきましょう。
長期積立による将来の値上がりに期待できる
値上がりが期待できる要因としては、世界経済の成長率が年平均3%ほど上昇傾向にあることですね。
日本は年1%程度にとどまりますが、先進国や新興国は今後の成長率にも期待できる可能性があります。
そのため、外国株を中心とした投資信託に積み立てすることで、今よりも資産価値が高まりやすいと言えます。
また、2008年頃に起こった株価の大暴落「リーマン・ショック」がまだ記憶に残っている方は多いかと思います。
その当時は約60%ほどの下落率で、すぐに売却してしまった人は大きく損をしたはずです。
ですが、その後のチャートを見ると暴落前よりも株価が上昇していることがわかります。
つまり、暴落に直面しても売却せず継続的に積み立てを行っていた人は、結果的にマイナスからプラスに転じていることになりますね。
もちろん将来的に必ず利益が得られるとは限りませんが、元本割れしたからといって焦って売るより、淡々と積み立てする方が損失の低減にも繋がると思います。
値下がりしたときほど多く買えるチャンスになる
株式や投資信託の投資手法として「ドル・コスト平均法」というものがあります。
一定額を定期的かつ継続的に積み立てする投資手法になります。
相場の変動に関わらず、機械的に積み立てすることで購入単価を平均化でき、大きな損失リスクを回避できる特徴があります。
つみたてNISAは基本的に毎月自動で積み立てを行うため、価格が高いときは少なく購入でき、安いときは多く購入することができます。
長期目線で値上がりに期待できるなら、値下がりしたときはむしろ積み立てするチャンスと言えますね。
もちろん値上がりが前提条件ではありますが、過去のデータから考えると今後も上昇していくことが予想できそうです。
積立期間が長くなるほど節税効果にも期待できる
これは利益が出ていることが前提条件ですが、つみたてNISAの最大のメリットは運用益が非課税になることです。
特定・一般口座で投資信託を運用する場合、利益に対して約20%の税金がかかることになります。
ですが、つみたてNISAはそれを非課税にでき、運用期間も最長20年間と長いため、長期積み立て運用にも最適ですね。
積み立てをやめずに継続することで将来的な利益に期待できるだけでなく、20年間で得た利益には税金もかかりません。
つみたてNISAで運用を続けることのメリットは大きいですね。
なるべく非課税枠は最大限に活かしたいところです。
つみたてNISAはポイント投資も活用するのがおすすめ
楽天証券の「つみたてNISA」では、楽天スーパーポイントを使って投資信託を買い付けすることができます。
投資信託は100円から積み立てすることができ、楽天ポイントは1ポイントから利用することが可能です。
また、楽天カードクレジット決済を使うと、積立額の1%がポイント還元されます。
つみたてNISAでポイント投資・積立ができて、ポイント還元も受けられるのは楽天証券の魅力ですね。
他社で「つみたてNISA」を始めるより楽天証券の方がお得度が高いです。
私もここで積み立てを始めたので、これから利用を検討されている方にはおすすめです。
まとめ:つみたてNISAで元本割れしても売却せずに継続しよう
- つみたてNISAは損失分を通算・繰越控除できない
- 継続的な積み立てで値上がり益に期待できる
- 値下がりしたときは多く購入できるチャンスになる
つみたてNISAは20年間の長期投資を視野に入れた制度でもあります。
長期で見たときは値上がりすることに期待できるとはいえ、目先の元本割れリスクに耐えられず売却してしまう方もいますよね。
ですが、その後に景気が回復してプラスに転じたときは、あのときに売るんじゃなかった…と後悔することに。
つみたてNISAは本質は短期投資ではないので、元本割れに直面しても気にせず機械的に積み立てを続けていくことが大切です。
そのためにも、まずは含み損を抱えても耐えられる範囲で投資することを意識しましょう。
つみたてNISAは継続することに意味があるので、何事にも動じず5年・10年と積み立てしていくのがいいですね。
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