仮想通貨投資をしていて、ETH系のDeFiは手数料が高いから、なかなか運用に手が出せない・・・とお困りではありませんか?
Venus Protocolは、BinanceのBSC上で利用できるDeFiなので、コストを抑えつつ処理も高速でストレスフリーな運用が可能です。
2021年2月17日時点で、TVLが2.8B(28億ドル)・・・からたった2日で4.2B(42億ドル)に・・・伸びが凄い。
BTCやETHを積立しながら長期保有する予定の方や、すでに保有中の方はVenus Protocolにレンディングすることで利息をもらうことができます。
また、ガバナンストークン「XVS」も利息と一緒にもらえます。1XVSの価格は55ドルほど・・・かなり高騰してますねw
今回は、DeFiの投資初心者向けにVenus Protocolの始め方・使い方をわかりやすく解説していきます。
Venus Protocol(ヴィーナス・プロトコル)とは?
Venus Protocolとは、BSC(バイナンススマートチェーン)上で利用されるDeFiベースのプロトコルになります。
これだけだと、意味が全くわかりませんよねw
もう少し簡単に説明するなら、Binanceが提供しているチェーン上で仮想通貨を貸したり、借りたりできる銀行的なサービスです。
Venus Protocolでは主に以下の3つが行えます。
- 仮想通貨の貸し出し
- 仮想通貨の借り入れ
- ステーブルコイン「VAI」の発行
ユーザーが貸し出した資産は、他のユーザーの借り入れ資金に充てられる仕組みになっています。
そのため、貸し出し時は対価として利息収入がもらえる、借り入れ時は利息を含めて返済することになります。
VAIは米ドルと1:1の割合でペッグされるよう設計された、Venus Protocol独自のステーブルコインですね。
Venus ProtocolとPancakeSwapの違い
BSC系のDeFiには、PancakeSwap(パンケーキスワップ)もあり、いまいち違いが理解できない人は多いかもしれません。
どちらも仮想通貨を預けることで利息がもらえることに変わりありませんが、以下のような違いがあります。
預け方と資産の使われ方が異なる
【Venus Protocol】
- 通貨単体で預ける
- 借り入れ資金として利用される
【PancakeSwap】
- 通貨ペアで預ける
- トレード(交換)資金として利用される
Venus Protocolは「銀行」的な役割を担っているのに対して、PancakeSwapは「取引所」としての役割を担うイメージですね。
PancakeSwapはDEX(分散型取引所)なので、交換取引に使われる通貨の流動性を供給することで利息がもらえる、という感じです。
【DeFi】Venus Protocolの始め方【前準備】
Venus Protocolで仮想通貨の運用を始めるためには、まず以下のものを用意しておく必要があります。
事前に用意しておくもの
- 国内取引所の口座
- Binanceの口座
- MetaMask(BSC設定が必要)
- 貸し出す通貨(BTC・ETH等)
- 少量のBNB(手数料用)
今から運用したい方は、それぞれ準備しましょう。
仮想通貨をBinanceに送金しよう
国内仮想通貨取引所でBTCやETHを手に入れたら、海外取引所のBinanceに送金する必要があります。
まだ口座をお持ちでない方は、以下から本人確認不要ですぐに登録できます。
Binanceは日本語にも対応しているので、英語が苦手な場合でも問題ありませんよ。
すでに口座開設済みの方は、Venus Protocolの運用に対応している仮想通貨を送金しましょう。
貸し出し対応通貨
- BTCB
- ETH
- BETH
- LTC
- XRP
- BCH
- BNB
- DOT
- LINK
- XVS
- FIL
- SXP
- USDT
- USDC
- BUSD
- DAI
※2021年2月19日時点
BTCBは、BTCを100%担保にしたBinance独自の仮想通貨になります。
「BTC=BTCB」という認識でOKです。
ちなみに、BTCを購入するなら「Coincheck」、ETHを購入するなら「bitbank
」を利用している方が多いですね。
詳しい送金方法については、以下の記事で画像付きで解説しているので、わからない方は参考にどうぞ。
▽▼▽【BSC DeFi】PancakeSwap(パンケーキスワップ)の始め方・やり方を図解【入門編】

円預金感覚で運用するなら、ステーブルコインを用意しよう
価格変動する通貨を運用するのは不安・・・という方もいますよね。
そんな人におすすめなのが、米ドルに連動した動きをするように設計された「ステーブルコイン」です。
Venus Protocolで対応しているステーブルコインは以下の4種類。
- USDT (Tetherの通貨)
- USDC (Circle・Coinbaseの通貨)
- BUSD (Binance・Paxosの通貨)
- DAI (MakerDAOの通貨)
※2021年2月19日時点
ステーブルコインはAPY(年利)がそこそこ高いことも魅力の1つ。
APYは常に変動しますが、銀行金利と比べると「天と地」くらいの差ですねw
Binanceで4種類とも「BTC建て」「ETH建て」で購入できるので、円預金感覚で運用したい方はステーブルコインに交換しましょう。
個人的にはBinanceを信用しているため、BUSDがいいかなと思いますが、この辺はそれぞれご自身が信用できる通貨を選んでください。
BinanceからMetaMaskのBSCに送金しよう
Venus ProtocolはBSC上でしか利用できないので、BSCに対応したウォレットを用意する必要があります。
PCならMetaMaskがおすすめです。
MetaMaskをすでにお持ちの方は、ネットワークでBSCの設定を追加しましょう。
以下の記事で導入からBSC設定まで解説しているので、わからない方は参考にどうぞ。
▽▼▽【2021年版】MetaMask(メタマスク)の使い方・BSCを設定する方法を解説

スマホから利用される場合は、「SafePal」というアプリがいいかと思います。
Binanceを経由しなくても、Venus Protocolの運用が始められる優れものです。
また、BSCではBNBを手数料として消費するため、忘れずに購入しておいてください。
3,000円程度のBNBがあれば安心ですね。
【DeFi】Venus Protocolの使い方【画像付きで解説】
Venus Protocolの主な使い方は以下の3つになります。
- 仮想通貨を貸し出して利息をもらう
- 仮想通貨を担保にしてVAIを借り入れる
- VAIをステーキングしてXVSをもらう
BSCのウォレットに仮想通貨を準備できたら、さっそく運用してみましょう。
①:仮想通貨を貸し出して利息をもらう
まずはMetaMaskをBSCに接続した状態で、Venus Protocolのページに移動します。
そうすると、MetaMaskが起動してVenus Protocolと接続するか聞かれるので、「次へ」⇒「Connect」をクリックします。
接続が完了するとDashboardの画面が表示されます。
右下の「Supply Market」から貸し出す通貨を選んで「Enable」ボタンをクリックします。
次にMetaMaskが起動して利用を許可するか聞かれるので、問題なければ「確認」をクリックします。
Transaction Feeがこの処理にかかる手数料で、BNBを消費します。
なお、MetaMaskの「Activity」から処理のログを確認できますよ。
続いて、貸し出したい数量を入力するか、すべて貸し出す場合は「MAX」を選択して、「Supply」ボタンをクリックします。
MetaMaskが開くので「確認」を選択して、処理が完了するのを待ちましょう。
問題なく貸し出しできると、以下のような画面になります。
- Supply Balance:貸し出し総額
- Borrow Balance:借り入れ総額
- APY with XVS:XVS報酬を含む年利
「APY with XVS」をOFFにすると、貸し出した通貨のXVS報酬なしのAPYを表示することができます。
また、「Supply」の項目が追加されて、「Balance」のところでAPYに応じた利息がリアルタイムに増えていきます。
Venus Protocolの画面左メニュー「Vote」を開くと、XVSの獲得状況が確認できますよ。
「Venus Earned」の右側にある「Collect」でXVSをいつでも収穫できます。
ただ、Collect1回にかかる手数料が結構高い(200~300円)ので、収穫するときは注意してくださいね。
収穫したXVSは、そのまま貸し出すか、PancakeSwapで他の通貨に交換するか、貸し出し中の通貨に交換して枚数を増やすか、使い道は考えておきましょう。
②:仮想通貨を担保にしてVAIを借り入れる
「VAI」はVenus Protocolのステーブルコインになります。
このVAIをなぜ、借り入れるのかというと理由はこれです。
- 利息を支払わなくていい
- APYが高い(約40~60%程度)
※2021年2月19日時点
「Borrow Market」から他の通貨も借りられますが、どの通貨も利息を支払う必要があります。
ただ、借りる場合でもXVS報酬がもらえるため、ほとんどの通貨はトータルでプラスになりますが・・・
VAIに関しては無利息で借りることができる上に、XVS報酬に期待できるので、さっそく借り入れてみましょう。
まずは、貸し出し通貨を担保として有効化するため、Supply Market内の貸し出し中通貨の右側にある「Collateral」の切替バーをクリックします。
MetaMaskが起動するので「確認」を行って完了すると、Collateralが自動的に「ON」に切り替わります。
そうすると、画面左側の色が違う部分「Borrow Limit」のところに金額が表示されるようになります。
これが担保に対する「借り入れ限度額」になりますね。
Venus Protocolの「担保率」は、2021年2月19日時点で「60%」に設定されています。
ちなみに、通貨別の貸し出し、借り入れ、担保率の情報などはサイト内で確認できますよ。
「Collateral Factor」というのが担保率を意味します。
担保率60%だと1,000ドルを担保にする場合は、最大で600ドルまで借りられますが、これを超えると強制清算されます。
なので最大まで借りる人はまずいませんね。
画面右側にある「Mint / Repay VAI」を選択すると、VAIの借り入れを行う画面が表示されます。
任意の枚数を入力できますが、どれくらいの割合で借りればいいかわからない場合は、「SAFE MAX」を押すと安全な枚数を自動入力してくれます。
問題なければ「Mint VAI」ボタンをクリックしましょう。
処理が完了すると、「Borrow Balance」に借り入れ額が表示されているかと思います。
SAFE MAXで借りると、だいたい40%ほどの割合になるようです。
少し物足りないな・・・と感じる方は、ご自身のリスク許容度に合わせて借り入れしてみてください。
ステーブルコインのような比較的価格が安定した通貨ではなく、価格変動が激しい通貨を担保にする場合は清算リスクが高くなります。
リスクを取った運用をするときは、定期的な資産管理を行うよう心がけましょう。
③:VAIをステーキングしてXVSをもらう
Venus Protocolの画面左側メニューの「Vault」に移動して、VAIを預けるために「Enable」ボタンをクリックします。
MetaMaskで「確認」を行って処理が終わったら、すべて預けるために「MAX」を押して「Stake」ボタンをクリックします。
これでVAIのステーキングは完了です。
この時点で、以下の3つの報酬が得られている状態になりますね。
- 仮想通貨の貸し出しによる利息収入
- 仮想通貨の貸し出しによるXVS報酬
- VAIのステーキングによるXVS報酬
ステーキング分のXVSは、「Vault」のページ内で確認できます。
貯まったXVSは「Claim」から収穫できます。
「VAI Staking APY」は他と比べて高めの設定なので、資金に余裕がある方はXVSをガンガン収穫できそうですね。
貯まるのが待ち遠しいなぁ・・・
【DeFi】Venus Protocolの運用をやめる方法
今すぐどうこうではないけど、Venus Protocolから資金を引き上げる方法も知っておいて損はありません。
いざというときの保険にもなりますからね。
借りているVAIを返済する
VAIを借りてステーキングで運用している場合は、「Vault」のページで「Withdraw」しましょう。
「MAX」を選択すれば、ステーキングしていたVAIをすべて回収できます。
次に「Dashboard」にある「Mint / Repay VAI」を開いて、Repay VAIを「Enable」ボタンで有効化します。
「MAX」を押して「Repay VAI」ボタンをクリックします。
これで処理が完了すると、借りていたすべてのVAIを返済することができますよ。
特に難しい操作はないので、流れさえわかっていれば簡単です。
ちなみに、「Borrow Market」から通貨を借り入れした場合は、通貨を選択した画面で「Repay Borrow」から返済可能です。
貸し出した通貨を回収する
借りていた通貨をすべて返済したら、「Dashboard」の「Supply Market」で貸し出し中の通貨を選択します。
「Withdraw」を選択すると、回収する設定画面に切り替わります。
「SAFE MAX」を押して総枚数になっているか確認したら、「Withdraw」ボタンをクリックしましょう。
問題なく処理されたら、貸し出した通貨の回収は完了になります。
最後にXVSの収穫忘れはないか、他に通貨が残っていないかを確認してくださいね。
【DeFi】Venus Protocolで投資するリスク
Venus Protocolでは、2021年1月14日に「CAN事件」が起こっています。
これがどんな事件だったか、順を追って説明すると、
- CANトークンがVenusに追加される
- 供給全体の45%にあたるCANを大口ホルダーが供給
- CANを担保にBTCBとETHが借り入れされる
- VenusでBTCBが引き出せくなる
このときにVenus Protocolに預けていたユーザーは、ハッキングされたんじゃないか・・・と困惑する事態になりました。
ですが、結果的にはハッキングではなく、Venus Protocolの運営チームが迅速に流動性を供給したので、投資家が損をすることはありませんでした。
システムやプログラムにバグがあったわけでもなく、運営チームの独断でCANという謎トークンが担保資産に追加されたことが原因だったようです。
今回の一件でVenus Protocolは運営方法を見直し、2021年1月15日以降は中央集権的なサポートがなくなり、XVS保有者によって運営が行われます。
つまり、完全に分散化され、ガバナンスコミュニティ内の提案・投票によって方針が決まっていくということですね。
運営チームは、開発およびガバナンスコミュニティ内の活動支援を継続的に行っていくと発言しています。
そのため、今後はCAN事件のような事態は起こりにくくなりますが、こうした事件があったことは頭に入れておいてください。
ガバナンスによって新通貨が追加されたり、仕様変更される可能性はあるので、コミュニティの情報は定期的にチェックしておくのがいいかと思います。
BSC系DeFiはCPリスクが常につきまとう
Venus Protocolは、Binanceが提供しているBSC上で動作しているマネーマーケットになります。
そのため、BSCに持ち込んだ資産はBinanceが管理するという「CP(カウンターパーティー)リスク」があることも理解しておきましょう。
これはETH系DeFiとは大きく異なる点ですね。
Binanceに何かしらの問題が発生して運営が止まると、BSCのウォレットにある資産が凍結され、動かせなくなるリスクがあります。
この辺は、結局のところBinanceを信頼できるかどうかの問題ですね。
個人的には、BinanceのCEOチャンポン・ジャオ(CZ)氏のDeFi構想に共感でき、「流動性・セキュリティ・安定性」は信頼に足る取引所だと思っています。
それにVenus Protocolはリターンがかなり優秀な部類なので、リスクを加味しても運用してみる価値はあるかなぁとも思ってます。
とはいえ、BSC系のDeFiはリターンに見合ったリスクが存在することを理解した上で、参入するかは自己判断で決めるようにしましょう。
【DeFi】Venus Protocolの始め方・使い方まとめ
ここで解説したVenus Protocolを利用すれば、仮想通貨を運用しながら利息がもらえるだけでなく、XVSトークンを報酬として受け取れます。
XVSも仮想通貨なので、Venus Protocolの需要が高まれば、価格高騰によって資産価値も増えますよね。
仮想通貨は今後、値上がりしたら売却する、ではなく運用しながら値上がりを待つ、というフェーズに移行するんじゃないかと思っています。
ちなみに、Venus Protocolで借りた通貨をPancakeSwapの流動性供給に預けてCAKEトークンをもらう、という方法もあります。
VAIとBUSDを借りてペアで預けるイメージですね。
こちらの年利は約40~50%ほどあるので、VAIステーキングより利回りがいい場合があります。
私も実際にPancakeSwapでも運用しているので、興味がある方はPancakeSwapも触ってみてください。
▽▼▽【BSC DeFi】PancakeSwap(パンケーキスワップ)の始め方・やり方を図解【入門編】
