BSCのDeFiである「PancakeSwap」は、手数料が高騰しているETH系のDeFiと比べて、非常に使いやすくなっています。
あの手数料の安さを一度知ってしまうと、もうBSCからは当分離れられなくなるかもしれませんw
Binanceに依存してしまうリスクはあるものの、それを加味してもPancakeSwapを使いたい!というDeFi初心者は多いでしょう。
ここでは、PancakeSwapの使い方や複利で上手く運用する方法を解説していきます。
前回の記事で解説した【入門編】のハードルをクリアした方は、この【実践編】の内容を参考に運用を始めてみてください!
【DeFi】PancakeSwap始め方のおさらい【入門編】
入門編の内容はもうクリア済みという方も、一応おさらいしておきましょう。
- 国内取引所でBTCを購入する
- BTCをBinanceに送金する
- BTCを使ってBNBを購入する
- MetaMaskをインストールする
- MetaMaskでBSC設定を行う
- BSCのウォレットにBTC・BNBを送金する
- PancakeSwapで流動性供給を行う
- CAKEを収穫してPoolで複利運用する
私の記事を参考に進めてきた方なら、上記の①~⑥まではすでに達成済みだと思います。
なので、残りは⑦・⑧のステップを残すのみですね。
この段階からはPancakeSwapとMetaMaskを使うことになります。
まだ何も準備ができていない・・・という方は、まず【入門編】の記事から読み進めてもらえればと思います。
ここにリンクを貼っておくので参考にどうぞ。
▽▼▽【BSC DeFi】PancakeSwap(パンケーキスワップ)の始め方・やり方を図解【入門編】

【DeFi】PancakeSwapの使い方⑦【流動性供給】
それではステップ⑦「PancakeSwapで流動性供給を行う」を実践していきます。
PancakeSwapのプールに資金を預ける
まずはMetaMaskがBSCに接続されていることを確認してから、PancakeSwapのページにアクセスします。
そうすると、MetaMaskが起動してPancakeSwapと接続するかどうか聞かれるので、問題なければ「次へ」に進んで「Connect」をクリックします。
画面右上にMetaMaskのアドレスが表示されていれば接続完了です。
上手く接続できなかった場合は、手動でConnectすることも可能です。
また、画面左下にある「EN」が言語になるので、英語がわからない方は「日本語」に変更できますよ。
次にPancakeSwapのプールに資金を預けるため、画面左側メニューの「Trade」⇒「Liquidity」を選択して「Add Liquidity」をクリックします。
Add Liquidityでは、2つの仮想通貨をペアで預けることができます。
ここで事前にMetaMaskへ送金しておいた「BNB」と「BTCB」のペアを作り、預けたい枚数を入力しましょう。
なお、預けられるのは「同額分」になるので、例えばBNB1.5万円分なら、BTCBも1.5万円分しか預けることができません。
片方の通貨の枚数を入力すると、もう片方の通貨は同額になるよう自動入力されます。
次に預ける通貨を承認する必要があるので「Approve BTCB」をクリックするとMetaMaskが立ち上がり、以下の画面が表示されます。
Transaction Feeというのは手数料のことで、今回は0.06ドル(0.000488 ETH)相当がかかりますよー、というメッセージになりますね。
ちなみにETH表記になっていますが、実際に消費するのはBNBです。
「確認」をクリックすると処理が開始され、MetaMaskのActivityにpending(保留中)の表示が出て、数分で処理が完了するかと思います。
Activityには完了した処理のログが残るので、クリックすると詳細を確認できます。
合計0.000444BNB(0.06ドル)分が手数料として引かれていますね。
円換算で約6円ほど。これがETHだと1,000円とか普通に取られます・・・
BSCがどれほど安いのか、ここで実感できるんじゃないかな。
これでBTCBは承認されましたが、初めてPancakeSwapで預ける通貨はApproveする必要があります。
BNBも承認できたら「Supply」ボタンをクリックして、問題なければ「Confirm Supply」ボタンをクリックします。
MetaMaskが立ち上がるので「確認」をクリックして処理が完了すると、BTCB-BNBペアでPancakeSwapのプールに預けることができます。
これで流動性の供給が完了しました。
この時点から、流動性供給した通貨が利用されることで、手数料の一部を報酬として得られるようになります。
手数料報酬については、以下のサイトで「1y Fees」を見ると、年率何%なのかを通貨ペア別にチェックすることができます。
LPトークンを預けてCAKEをもらおう
流動性を供給すると、その証明として「LPトークン」が手に入ります。
このLPトークンを「Stake」することで、PancakeSwapの取引所トークン「CAKE」が報酬としてもらえるんです!
なので、さっそくStakeしましょう!
画面左側メニューの「Farms」のページに移動して、先ほど預けた「BTCB-BNB LP」のペアを探します。
見つかったら「Approve Contract」をクリックします。
MetaMaskで「確認」をクリックして承認が完了したら、「Stake LP」ボタンをクリックします。
そうすると「Stake LP tokens」の画面が表示されるので、すべて預けたい場合は「Max」を選択して「Confirm」をクリックします。
MetaMaskで「確認」をクリックして処理が終わると、LPトークンのStakeは完了となります。
あとは通貨ペアに対応した「APY(年利)」に応じて、CAKEが徐々に貯まっていきますよ!
BTCB-BNBペアだと、2021年2月13日時点でAPYが約50%ほどですね。
APYの右側にあるアイコンをクリックすると、詳細な利益率も確認できます。
例えば上記の場合は、1,000ドル分をStakeすると、1日で0.14%の利益率で0.19CAKEがもらえる計算になる感じです。
1CAKEの価格は7.2ドル(2021年2月13日時点)ですから、1日約140円がもらえるわけですね。
これが1ヶ月続くと約4,400円・・・1年続くと約6.8万円・・・さらにCAKEの価格が上がると・・・そう考えるとワクワクしますね。
【DeFi】PancakeSwapの使い方⑧【複利運用】
ついに最後のステップ⑧「CAKEを収穫してPoolで複利運用する」までたどり着きましたね!
今はPancakeSwapで通貨ペアの流動性を供給して、LPトークンをStakeしている状態だと思います。
これだけでも以下の報酬が得られます。
- 流動性供給:手数料報酬
- LPトークンStake:CAKE
もらったCAKEは仮想通貨なので、PancakeSwapの「Exchange」で別通貨にSwap(交換)できますし、Binanceでも取引可能です。
ただ、もらったCAKEをプールに預けて、さらにCAKEを増やす「複利運用」もできるんです!
これこそ資産運用の醍醐味とも言えますよね。
なので、CAKEは売却せずに複利の力でさらに増やしていきましょう。
Farmsで貯まったCAKEを収穫する
PancakeSwapの「Farms」のページ上部にある「Staked only」をONにすると、自分がStakeしている通貨ペアのみを表示できます。
Stakeしてから少し時間が経つと、BTCB-BNBのところにCAKEが貯まっているので、「Harvest」ボタンをクリックして収穫します。
MetaMaskで「確認」を行うと、PancakeSwapの「Home」にある「CAKE in Wallet」に収穫分が表示されているかと思います。
収穫分はMetaMaskのBSCウォレットに入るので、AssetsにCAKEの表示がない場合は、カスタムトークンから追加しておきましょう。
ちなみに複数個所からCAKEを収穫できる場合は、「Harvest all」から手軽に収穫することもできます。
ただ、手数料はそれぞれに対してかかります・・・1回にまとめて処理できればなぁ・・・
CAKEプールに預ける
PancakeSwapの「Pools」のページに移動して、CAKE Poolの「Approve CAKE」で承認しましょう。
次に「+」ボタンを選択すると「Deposit CAKE Tokens」の画面が表示されるので、「Max」または数量を入力して「Confirm」をクリックします。
MetaMaskで「確認」できたら、CAKE Poolの「Your Stake」に反映されて、複利運用が開始されます。
つまり、これでCAKEがCAKEを生み出してくれます。
ちなみにCAKE PoolにStakeすると、その時点で貯まっているCAKE PoolのCAKEは自動的に収穫されてウォレットに入りますよ。
なので定期的に収穫⇒Stakeする場合は、
BTCB-BNBプールのCAKEを収穫する
↓↓↓↓↓
CAKE PoolにStakeする
↓↓↓↓↓
CAKE PoolのCAKEを再Stakeする
こんな感じで運用することになりますね。
CAKEのみで運用される方は、「Compound」ボタンでそのまま運用資産に回すことが可能です。
CAKEの複利運用に関しては、比較的簡単にできましたね。
プールしているCAKEは「Unstake CAKE」からいつでも引き出せますよ。
【DeFi】PancakeSwapに預けた通貨を引き出すには?
PancakeSwapに見切りをつけて、一旦運用している資産を引き出したい・・・という場面も出できます。
なので、預けている通貨をMetaMaskのBSCウォレットに戻す方法も解説しておきます。
LPトークンを返却する
まずBTCB-BNBプールに預けているLPトークンを引き出しましょう。
通貨ペアの「-」ボタンを選択すると「Unstake LP tokens」の画面が表示されます。
すべて引き出したいので「Max」を選択して「Confirm」をクリック、MetaMaskで「確認」するとLPトークンが返ってきます。
なお、BTCB-BNBプールに貯まっていたCAKEは、LPトークンの引き出し処理が完了した時点で自動的に収穫されますよ。
流動性供給中の通貨ペアを引き出す
PancakeSwapの「Trade」⇒「Liquidity」のページに移動すると、「Your Liquidity」の項目に預けていた通貨ペアが表示されます。
「Add」からは流動性の供給量を追加でき、「Remove」からは流動性の供給をやめる場合に利用します。
ここではすべての資産を引き出したいので「Remove」ボタンをクリックしましょう。
次の画面で「Amount」を100%にして「Approve」ボタンをクリックします。
MetaMaskで「署名」を選択したら、「Remove」⇒「Confirm」の順にクリックします。
再度、MetaMaskで「確認」して処理が完了したら、BSCウォレットにBTCBとBNBが戻ってきているはずです。
これでPancakeSwapに預けていた通貨を引き出すことができましたね。
ここまでの流れを把握しておくと、いつでも運用資産をMetaMaskのBSCウォレットに戻すことができるので安心です。
【DeFi】PancakeSwap【流動性供給・複利運用】のリスク
ようやく高いハードルを乗り越えて、PancakeSwapで流動性の供給と複利運用を始めることができました。
ただ、それぞれ違ったリスクがあることも理解しておく必要があります。
それと大前提として、PancakeSwapはBinanceのBSC上で動作しているDEX(分散型取引所)でもあります。
なので、Binanceが資産管理を行う「CP(カウンターパーティー)リスク」があるという認識は必ず持っておきましょう。
流動性供給によるリスク
DeFiに慣れている方なら誰でも知っていることですが、流動性を供給することで「ILリスク」が発生することになります。
IL=impermanent lossは「変動損失」のことを意味します。
これは資産を預けたときより、仮想通貨の価格変動幅が大きくなるほど、損失幅も大きくなります。
価格変動による損失割合の目安は以下のとおりです。
- 1.25倍の価格変動 = 0.6%の損失
- 1.50倍の価格変動 = 2.0%の損失
- 1.75倍の価格変動 = 3.8%の損失
- 2倍の価格変動 = 5.7%の損失
- 3倍の価格変動 = 13.4%の損失
- 4倍の価格変動 = 20.0%の損失
- 5倍の価格変動 = 25.5%の損失
つまり、流動性の供給による手数料報酬よりも、この変動損失が大きくなるとトータルでマイナスになるということです。
DeFi初心者の方だと、これを理解するのは難しいですね・・・
そもそもILリスクがあることすら知らない人も多そう。
これを聞いてPancakeSwapで流動性を供給している方は、自分が今どれくらいの変動損失なのか気になるところだと思います。
確認する方法としては、以下のサイトが便利ですね。
サイトにアクセスして、運用しているMetaMaskのBSCアドレスを入力&検索すると、PancakeSwapの運用状況が簡単に確認できます。
LP-ステーキングの「i」マークをクリックすると、運用通貨ペアのImpermanent Lossが表示されています。
- インパーマネントロス:変動損失
- トレーディング利益:手数料報酬
- LP 利益:トータル損益
私の場合は価格変動幅がまだ小さいので、変動損失よりも手数料報酬が上回っています。
これを理解すると、PancakeSwapでなぜ利率が高い通貨ペアが多いのかわかりますよね。
ILリスクを抑えたい場合は、比較的価格が安定したステーブルコイン同士で預けるか、手数料報酬が高利率のペアを選ぶのがいいでしょう。
複利運用によるリスク
PancakeSwapでCAKEを複利運用する方法を解説しましたが、ここにもリスクが存在します。
ここの理由は単純で、CAKEが今後どうなるか未知数だからです。
2021年2月13日時点ではPancakeSwapが順調に成長しているため、取引所トークンであるCAKEの価値も右肩上がりの状況です。
これはPancakeSwapのTVL=Total Value Locked(預け入れ資産総額)のグラフですが、異常な伸び方をしてますねw
2021年1月は2,000万ドルほどだったのが、たった1ヶ月で約8倍に・・・流動性の増加率を見てもバブルと言えますね。
BSCは手数料も安いですから、需要はまだまだ増えそうな雰囲気がします。
ただ、このDeFiバブルがいつまで続くのか、PancakeSwapの開発状況や利用用途がどう変化していくのか、とにかく未知数な部分も多いです。
CAKEそのものに価値がつくのかも予測できないため、ある出来事をきっかけに価格が大きく変動する可能性があります。
BSCのプラットフォームとしては今のところ期待できそうですが、安全策を取るなら収穫したCAKEの一部は別通貨に交換しておくのも1つの方法ですね。
【DeFi】PancakeSwapの使い方・複利運用する方法まとめ
PancakeSwapの【実践編】はこれにて終了になります。
ここまで挫折せずに最後までやり遂げた方は、本当におつかれさまでした!
DeFiは参入ハードルが高いですが、ある程度理解して使えるようになると、運用するのが楽しくなるんですよね。
CAKEの枚数がリアルタイムで増えていきますし、それが資産になるわけですから、なんだかんだで続けてしまう人は多いかも。
ただ、新規プロジェクトの中には怪しいものも多いので、詐欺やハッキング等には注意しつつ、情報収集も欠かさないようにしましょう。
最後に投資するかどうかは自分自身で判断して、無理のない範囲で行ってくださいね。
私の場合は、PancakeSwap×Venus Protocolで運用中なので、気になる方は以下の記事も参考にどうぞ。
▽▼▽【BSC DeFi】Venus Protocol(ヴィーナスプロトコル)の始め方・使い方を図解【完全ガイド】

また、PancakeSwapの流動性供給におすすめの通貨ペアも解説しているので、こちらも参考にして頂ければと思います。
▽▼▽【BSC DeFi】PancakeSwap(パンケーキスワップ)リスク別おすすめ通貨ペアを解説
